What if New Horizons hits my car?

冥王星最接近の裏バージョンです。

元NASA研究員が書いてる xkcd.com というサイトがあるんですが、そこのなかの1コーナー、what if? が結構ばかばかしくておすすめです。

What if~? とは「もし～だったらどうなるだろう？」という、疑問詞みたいなもんですが、もともとは What happens if~? の "happens" 省略形なんでしょうね。

で、表題は「（冥王星に接近している宇宙船の）New Horizons が私の車にあたったらどうなりますか？」という、ばかばかしい質問。

このテのバカ質問に超真面目に答える、というのがこのサイトのテーマです。

New Horizons is about the size and weight of a grand piano, and is currently screaming along at about 14 kilometers per second. If it hit your car, it would be pretty bad for both vehicles.

is about the size of~ / is about the weight of~ は便利な表現ですね。覚えましょう。「だいたい〜の大きさ / だいたい〜の重さ」

scream はもちろん「叫ぶ」ですが、ここでは "along" をつけて「（さけぶような音をたてて）爆走している」って感じですか。辞書にはあんまり載ってないと思いますが、語感を楽しむカジュアルなおふざけ文です。

 along は、「沿って行く」イメージ。１本の軌道に沿ってずっと "scream" している感覚。前置詞はこういう「語感」を身体に染み込ませないと、イマイチ理解できないでしょう。一つひとつ動詞とのペアを覚えていくのは、私も受験生時代にやってましたが、キリがなく、かつ不可能です。

"pretty" は本当によく使われる強意の副詞。pretty = very、pretty much = very much です。口語の会話では、very / very much より使われるんじゃないですかね（米語）。

「ニューホライズンはだいたいグランドピアノくらいの大きさと重さで、現在秒速14kmで爆走中。もしそれがあなたの車に衝突したら、両方（の乗り物）ともえらいことになるでしょう。」

最後に would が使われていることにも注意。would / could ときたら、「仮定法」です。「まあそんなことはないんだけど、もしそうだとしたら。。」"If it hit your car.." の hit が過去形なのに気付きましたか？　現在形なら3単現で hits になるところ。だからこれは過去形。きれいな「仮定法過去」を形成しています。

そこで、秒速14kmがどんなもんかを論じます。

こういうときにアメリカ人がよく用いるアナロジーが、スポーツ関連。だからスポーツ記事は重要なんです（持論）。

"put ~ in perspective" はよく見る表現なので、覚えてください。

perspective は「視点、観点」。from my perspective = from my point of view = from my standpoint = 「私の観点からは」「私のみたところ」という意味。頻出。

で、〜を視野の中に置く、ですから、「〜をおおまかに理解する」という意味になるわけです。いままでぼんやりとしか見えなかったものを、自分の視野の中に置く＝自分の守備範囲に持ってくる、というイメージ。熟語は原義から理解しましょう。そのかわり、ざっくりと大枠をつかめばOK。

"right while ~" の right は強意。New Horizenがちょうどあなたの横を通り過ぎているときに。when ではなく while になっているのは、速すぎてぴったり合わせるのが無理である感じが出てますね。

「秒速14kmはどれくらい速いのか？　これをおおまかに理解するのに私の好きな近似法があります。あなたがフットボール場の一方の端に立っているとして、もう一方の端に向けて銃を発射したとします、ちょうどNew Horizenが横を通ったときに。すると、宇宙船がエンドゾーンを通過したときに、銃弾はまだ10ヤードラインの手前にいるのです。」

アメフト観たことありますか？　（アメリカ）英語を学ぶのなら、アメフトと野球は理解してください。模試の問題には出ないかもしれませんが、生きた現場の英語では結構こんな感じで引用されます。長文読解問題集だけじゃ、つまんないでしょ？